翔全繋互

部員と関係者の連絡用ブログです。

自分たちの演奏

コンクールは審査があります。

積み重ねた努力や各校の事情を鑑みることはなく、音での勝負の世界です。

ミスやアラはもちろんないほうがいいです。でも、落ち度のない完璧に近い演奏が必ずしも正しいとも思えないのです。

まぁ、私にはそれだけの実力がない、ということを私自身が理解しているからかもしれません。私の先生はどちらかといえば、落ち度のない、ザ、コンクールといった演奏をする人だったと思います。こうして自分が教える立場で振り返ると改めて先生の凄さを感じます。同時に私には私の音楽があるのだということも感じます。

音大を出ていない素人の私には音楽理論がちゃんとはわからない。知識や技能が圧倒的に不足しています。でも、補う努力はします。機械やプロフェッショナルの力をもらいながら、補います。

そして、全体的に落ち度のない演奏ではなく、私たちらしい今年なら今年らしい演奏を最大限引き出すことを目指しています。

今年は特にそういう気持ちが強いと思います。毎年部員のモチベーションやスタンスで少なからずや変化しているコンクールへの取り組みです。もちろん結果が付いてきてほしいとも思いますから、そちらも最後まで全力で取り組みます。同時にこの一音が好き、このフレーズが好き、そんな気持ちを持って演奏してもらいたいのです。どう表現したい、こうしたい、そんな気持ちをのせた音楽にしたい。どうにもそういった、音楽に対する積極性がまだまだ足りないと思ってしまいます。本番は一度きり。青春のかけがえのないひとときを楽しんでほしい。緊張感を乗り越えてほしい。達成感を感じてほしい。

聴いてもらえるコンクールは久しぶりです。聴いてもらえるから、ここを聴いてほしい、それを各自が持ってほしいのです。

そして聴いてほしいから、どういう風に表現したいのかを考えてほしい。そのために音程があう必要がある、バランスを取る必要がある、縦を揃える必要があると思ってほしい。やらなきゃいけないから、そういった気持ちではなく。

私が残りの僅かな期間にする作業は確かにあら探しでしょう。でも、自分たちの表現できる音楽を真剣に探してもらいたい。そして聴いてもらえることに喜びを感じてもらいたい。一緒に演奏できる仲間がいることに感謝の思いを持ってもらいたい。

私たちに落ち度のない完璧な演奏はできない。それはできる人たちがやってくれます。それはそれで素晴らしいことです。とても真似はできません。でも、私たちには私たちの持ち味があるはずです。やり遂げる上で何ができるでしょうか。